81Dojo

藤井聡太先生が昨日、竜王戦七番勝負を見事制して四冠となられました。史上最年少という偉業、誠におめでとうございます。

さて、去る10月17日に、藤井四冠(当時三冠)が81道場に来られて対局を行われました。
内容は、第8回国際将棋トーナメントの優勝者(台湾の選手)との記念対局です。

国際将棋トーナメントはこれまで3年に一回のペースで日本将棋連盟が海外普及のために行っているイベントですが、世界的コロナ禍の中においても海外ファンのために安全な大会を継続開催するため、今回は81道場をご活用頂き全てオンラインでの開催という新たな試みとなりました。

詳しい対局の模様は、大会公式サイト (https://isf.shogi.or.jp/news/entry-406.html)
をご覧下さい。

手合割は角落ちでしたが、下図の☗4一銀打というような好手も見られた手に汗握る接戦でした。海外選手のレベル向上の速さに観戦していたファンの皆様も驚かれたことと思います。
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棋譜はこちらから
https://system.81dojo.com/ja/kifus/6776178

81道場での対局の模様は日本将棋連盟のYouTubeライブで世界に放送され、
羽生善治九段が解説者という非常に豪華な内容でした。
その様子は下記のテレビニュースでも放映されました。

 ■ FNNプライムオンライン(東海テレビ) ― 藤井三冠が海外のアマチュア代表と記念対局
 https://www.fnn.jp/articles/-/255675

 ■ 日テレNEWS 24 ― 藤井三冠、国際大会の優勝者と記念対局
 https://www.news24.jp/articles/2021/10/17/07958236.html

イベント終了後の記者会見では、藤井先生より81道場へのお褒めの言葉も頂きました。
  • 今回対局に使用した81道場は、本当に素晴らしい対局プラットフォーム。
  • そういった環境が今までより充実してきた。
  • それを今後もより充実していけると良いと思う。
記者会見動画(該当部分へジャンプ) https://www.youtube.com/watch?v=5Awo8ddP-O8&t=996s


過分なお言葉を頂き本当に有難うございます。

コロナ禍での海外普及という難しい局面での打開策として、81道場のご活用を検討下さりイベント開催を実現して下さいました関係者の皆様に心より感謝致しますとともに、「世界に将棋を」という思いで続けてきた81道場がその使命や役割を果たせたことを嬉しく思います。



81道場のWebブラウザ用アプリでは、カラーテーマをオプション画面で変更できます。(ブロンズクラス以上のユーザ様限定機能)
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日本文化の将棋を広めるサイトとして、カラーテーマは全て、和に因んだ色彩や名称としています。全て、ひらがな三文字の言葉で統一しました。
これまでは5種類のみを提供していましたが、今回新たに全10種類を揃えましたので、それぞれを下記で紹介します。お目当てのテーマが見つかったら、開放を目指して是非マイルを貯めてみて下さい。

■ デフォルト
1. いほり (庵 / IORI)
庵とは、草木や竹などを材料としてつくった質素な小屋のこと。緑と薄茶色(橙)を基調とした、81道場のサイト標準色にもなっているデフォルトテーマです。
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■ ブロンズクラスで開放
2. あいえ (藍絵 / AIE)
藍絵とは、藍色の濃淡ですった江戸時代の浮世絵版画。藍摺(あいずり)とも呼ばれます。藍色の単色で構成したカラーテーマです。
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3. うるし (漆 / URUSHI)
将棋の盤や駒にも使われる日本の伝統的な漆。これは欠かせません。漆の黒と赤を組み合わせました。
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■ シルバークラスで開放
4. おえど (御江戸 / OEDO)
江戸茶(えどちゃ)・江戸紫(えどむらさき)・江戸鼠(えどねず)などの名前に「江戸」が付いた色を組み合わせました。
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5. あさひ (旭 / ASAHI)
日出ずる国、日本の日の丸の色。日の出の太陽を象徴する、紅白のめでたい色彩です。
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6. もみじ (紅葉 / MOMIJI)
秋の紅葉の色彩のテーマです。秋の季節に如何でしょうか。
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7. りきう (利休 / RIKYU)
利休色(りきゅういろ)・利休茶(りきゅうちゃ)・利休鼠(りきゅうねずみ)などの色を組み合わせました。統一感ある色合いで落ち着いて将棋が指せそうです。
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■ ゴールドクラスで開放
8. かぶき (歌舞伎 / KABUKI)
黒・柿色・萌葱色の三色に染めた布を縦に縫い合わせた、歌舞伎の象徴である定式幕(じょうしきまく)の色彩です。お茶漬けなどのパッケージでもおなじみですね。
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9. みゆき (深雪 / MIYUKI)
深く積もった雪を象徴し、静寂さを感じさせる白一色のテーマです。lishogiの雰囲気にも似て見えます。
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10. しのび (忍 / SHINOBI)
忍者をイメージしたダークテーマです。
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昨年7月に、Adobe社よりFlashのサポート終了が発表されて以降、仕事の合間を見つけてFlash版アプリのHTML移行を少しづつ進めてきました。ようやく完成に近づき、残る未移植の機能は「どうぶつしょうぎ」など一部のみというところまで来ています。

また、単に移植するだけでなく、細かい仕様の改善や、HTML版にしかない新機能の追加も行いました。まだFlash版しか使っていない方は、一度HTML版もお試し頂ければと思います。

さて、HTML版に追加された特典機能の一例として、今回は「棋譜ノート出力」機能のご紹介です。

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このようにメニューから選択すれば、ブラウザ上で棋譜ノート形式に成形されたシートが表示されます。これを印刷して頂ければ、棋譜ノートと同じようなイメージで、自戦譜などを紙でファイルして持っておくことが出来ると思います。

実は結構前からこの機能は作りたかったのですが、なかなか時間がなく、今回のHTML版の開発の機会を活かしてやっと実行できました。半ば予想していたことなのですが、この機能は結構好評で、喜びの声をあちこちから頂いています。
急速にデジタル化が進む昨今ですが、電子書籍よりやっぱり本が良いねとか、MP3よりやっぱりレコードが良いねとか、テレビゲームよりやっぱりアナログゲームが良いねとか、ありますよね。そういうアナログの再評価みたいなものとも言えるかもしれませんが、喜んで下さっている方はおそらく、かなり熱心に(そして結構前から)将棋をされている方で、紙での棋譜管理を経験してこられている方達ではないかと思います。パソコンにKIFファイルで保存しておいて見たい時に将棋ソフトで再生する方がいくらスマートだとしても、いちいちスクリーンに向かうより、いつでも手元でパッと出してめくって見れる方がやっぱり良いという気持ちはよく分かります。
また、自分の指した将棋を先生に見て頂きたいという場合、果たして電子ファイルが良いのでしょうか。メールでKIFを送信して、先生がソフト再生で見てくれるというところも、この時代ならあるのかもしれませんが、やはり紙で持参して先生に見て頂くというスタイルの方が遥かに自然だというところも多いでしょう。先生が年輩の方なら多分そうではないかと思います。

今のところ、ブラウザ上に表示してその場で印刷することしか出来ず、PDF出力はまだ出来ません。また、HTML版で入室した対局室でしか使うことが出来ず、後からWebシステムの棋譜検索画面で再生する時には使えません。このあたりが今後の課題だと思っています。

引き続き、よろしくお願い致します。


2016年1月にWebシステムを一新してから、これまで新機能を整備してきました。今年は仕事上でも個人的にも色々なことが有り過ぎて、開発にかける時間がほとんど取れず、かなりスローペース開発な年となってしまいました。それでも当初の予定としてお伝えした機能がやっとほぼ揃ってきましたので、その中から代表的なもの10個を改めてご紹介したいと思います。

(1) ユーザ主催大会の自動運営 [リンク]
Webシステムで最も実現したかった機能がこちら。ユーザが自ら大会を主催し、対局者同士の日程調整や、対局結果自動集計などをシステムに任せて運営できるというもの。
現在は総当たりのみ対応していますが、今後はトーナメント形式および、チーム対抗戦などに対応したいと思います。

(2) 掲示板 (World Shogi Forum) の内製化 [リンク]
別システムとなっていた掲示板を統合。81Dojoのアカウントでそのまま投稿が出来るようになり、ユーザ同士のコミュニケーションの利便性が向上しました。フォーラムごと、トピックごとのEメール通知設定機能も付いています。

(3) サークル [リンク]
ユーザがサークルを結成することが出来ます。サークル内専用の掲示板を使って、自由にコミュニケーションが取れます。今後は、サークル内ランキングや、サークル対抗のチーム戦などの機能に対応したいと思います。

(4) 棋譜コメント [リンク]
81Dojoの任意の棋譜に対して、ユーザがコメントを書き残すことが出来るようになりました。対局者本人の設定次第ですが、コメントは対局者にも通知されます。
また、コメント文の中で「○手目」と書かれた部分がリンクとなり、該当局面にジャンプする機能もあります。

(5) 棋譜検索 [リンク]
従来、道場アプリ内にログインしないと出来なかった棋譜検索ですが、今回の統合によりアクセスが容易なWeb上で棋譜検索が出来るようになりました。さらに、リクエストの多かった①手合い指定 ②戦型指定 ③先後指定の条件フィルタも追加中です。
ただし、データベースから過去の棋譜を検索する機能は、道場をお使い頂いている皆さまに提供するものとの位置付けから、検索時にはマイル消費が発生します。1回あたりわずか3マイルですので、道場にログインしたり対局している方にとっては全く問題なく何度でも検索して頂くことが出来ます。
従来からお使い頂いている方にとっては、これまでに無かったマイル消費の追加となってしまいますが、長らくお使い頂いているユーザに対しては別途、特別優遇措置を取っていきますので、ご安心下さい。

(6) 対局マナーの相互評価
対局後に、相手の対局マナーを「良い」・「悪い」で評価できるようになりました。個別の評価結果は相手には通知されず、誰にも分からないようになっています。特に「良い」「悪い」が無ければ、無理に評価して頂く必要はありません。
ユーザクラスが一定以上に上がりますと、例えば挑戦してきたユーザの評価統計を見れるようになります。

(7) アバター画像登録 [リンク]
ご自分でアバター画像をアップロードして頂けるようになりました。ただし、対局中常に相手の目に触れる画像であることから、画像の内容によっては受け付けない場合があります。

(8) 棋力対応調査 [リンク]
当道場では、一般の町道場で通用する棋力名称に基準を概ね近づけるようにしており、そのための棋力対応調査を定期的に行ってきました。(前回の調査結果はこちら) 今回から、その調査を常時継続的に実施します。

(9) ランキング
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こちらも、従来は道場アプリにログインが必要でしたが、Webから閲覧出来るようになりました。さらに、今回から「地域ランキング」を追加。「欧州ランキング」「南米ランキング」などを見ることが出来ます。

(10) 新着情報
マイページのトップには、各ユーザに個別にお届けする新着情報を表示しています。大会・サークル・掲示板・棋譜コメントなど、各ユーザに通知すべき内容が届けられます。今後は、道場アプリログイン時にも画面に表示したいと思います。


上記の他にも新たな機能がいろいろあります。まだご覧になっていない方は、リニューアルされたWebシステムを是非お試し下さい。


青野九段考案の「9マス将棋」に人気が集まっています。たった3×3マスで、短時間で将棋のエッセンスを楽しみながら学べるということで、初心者への普及が進みそうですね。

 発売前から話題殺到!プロ棋士すら楽しめる「9マス将棋」が奥深すぎる (将棋連盟 コラム) 

この「9マス将棋」、実は5年ほど前から81道場ではプレイできるようになっています。 81道場で遊べる将棋は全25種類。いくつか紹介したいと思います。
あわせて、81道場で選べる駒デザインのバリエーションの一部も、画像を交えてご覧いただきます。(画像はクリックして拡大して下さい)

■9マス将棋
いろいろな初期局面の中から、代表的な「持ち駒: 銀歩」のバージョンを収録しています。
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■京都将棋
一手指すごとに駒が裏返る、感覚破壊ゲーム。白熱すること必至です。
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■ゴロゴロ将棋
こちらも将棋連盟考案。金と銀の使い方(動かし方、押し上げ方、厚みの作り方)や、複数の持ち駒を使っての並べ詰をトレーニングすることが出来ます。
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■トンボ
小田切秀人指導棋士推奨の駒落ち。通常の駒落ちよりも下手の指導に適していると言われています。
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■青空将棋
9×9マスでも、短時間で駒の動きや終盤まで学べる配置。歩がある将棋よりも、高効率です。
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■どうぶつしょうぎ
こちらは専用デザインを収録させて頂いています。
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大会運営機能と組み合わせて、いろいろお楽しみ下さい
上で紹介したバリエーションはごく一部です。また、81道場の新機能「ユーザ主催大会の自動運営機能」と組み合わせることで、「どうぶつしょうぎ大会」・「京都将棋大会」など多彩な大会を開くことができます。是非お試し下さい。

 ※過去に開催頂いたユーザ主催大会の例:


2/27(土)より、第6期女流王座戦の海外招待選手を決めるオンライン選抜大会が開催されます。今年で3回目の開催となります。今年はどの国から招待選手が選ばれるのでしょうか。是非ご注目下さい。
今期から、直近の対局予定が自動で表示されるようになります。観戦できる対局を選ぶのに便利ですので、是非ご覧頂き、選手の皆さんを応援して下さい。

よろしくお願いいたします。



81DojoのWebシステムをリニューアルしたことにより、Web側の新機能の開発が進んでいます。アバター画像の登録機能に続いて、現在「大会運営システム」を開発中です。

81Dojoの公式棋戦のひとつである「第3期 新星戦 (英語タイトル: Supernova)」を題材として、大会運営システムのテストを進めて来ました。

  第3期 新星戦 (The 3rd-term Supernova Tournament)

ご覧のように、総当たりの対戦表をベースとして、大会が自動運営される仕様となっています。
  • 対局のセルをクリックすると、対局詳細ページへリンク
  • 対局詳細ページでは、対局相手との連絡や日程調整が可能 (Eメール通知あり)
  • 対局結果は81Dojo対局サーバから自動取得
  • 対戦表のユーザ名をクリックすると、各自の対局予定と対局結果の一覧
  • 対戦表の下には、大会全体の最新の対局予定と対局結果一覧
などが主な機能です。今のところ総当たり戦にしか対応していませんが、いずれは勝ち抜き式とスイス式に対応したいと考えています。

この運営システムを、これから一般開放に移します。どなたでも、システムを使い大会を作成し、運営することが出来るようになります。これからは、自分でサイトを作って、参加募集をかけて、対戦表を組んで、結果を更新して、という手間をかけなくても81Dojoでのイベントを企画・運営して頂けるようになります。

先行テストとして、希望者の方に先行して大会作成権限を付与させて頂きます。 運営のテストをして下さる方は、info@81dojo.comまで企画される大会の内容とともにご連絡をお願い致します。仲間内での1日大会など、簡易的なものからでも構いません。


81Dojoのシステム側の大幅リニューアルの準備を進めています。WEBシステムの一新により、性能向上と機能拡張性の向上を狙いとしています。

現状、ウェブブラウザ上からログインして表示されるシステムは、アカウントの登録・管理専用ページとしてだけ運用しています。そのため、ほとんどの方はユーザ登録をした時以来使っていないページになっていると思います。
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 今後はこのWEBシステムを一新し、様々な機能をウェブから利用できるようにしていきたいと思います。下図は準備中の画面イメージです。
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アップグレードしたシステムを利用して将来的に可能になりそうなことを挙げると、例えば以下のようなものがあります。(可能というだけで、現時点で全て決定していることではありません)
  • ユーザ自身によるアバター画像のアップロード
  • より細かい条件の組み合わせによる棋譜検索 (現在は対局アプリからしか棋譜検索が出来ず不便ですが、WEB上から検索ができるようにしていきます)
  • 81Dojoのレーティングと実棋力との対応の継続的調査
  • ユーザ自身が大会を主催でき、結果が自動集計されるシステム 
  • サークルを作れる機能
  • 掲示板などのコミュニケーション機能の統合
  • 棋譜に対するコメント投稿機能の統合
  • 対局者の相互評価機能
  • お気に入り機能の強化(フォロー機能)
  • 一般ユーザをモデレートする権限を持ったモデレータクラスの新設
現在、急ピッチで準備を進めており、年明けぐらいを目標に切り替えを行いたいと考えています。大幅なシステム更新となるため、道場は一定期間お休みとなりますので、皆さまにはご迷惑をおかけしますが何卒ご容赦下さい。切り替えの日程が決まりましたら公式Twitterおよびサイト上にて告知させて頂きます。 


将棋AIの研究開発の新分野開拓を加速させたいという思いから、この度81Dojoを会場として「魅力的な将棋AIコンテスト」を企画させて頂きました。初回として、プレマッチを来年の4~5月で開催したいと思います。

 公式リリース:  「魅力的な将棋AIコンテスト」 プレマッチ開催のご案内

この大会を企画した意図や思いは、またの機会に詳しく述べたいと思います。平たく言ってしまうと、「これからの将棋AIの価値が『対局に勝てることと』と『評価値と読み筋を吐き出せること』だけで良いわけが無いよね」、「それだけでは『人間』には遠く及ばないよね」、「人間に近づき共存関係を構築するためにもっともっと価値を高められる未開拓の世界がいくらでもあるよね」、というベタな表現になってしまうでしょうか。話し出すと長くなるのでやめておきますが、実は局面ペディアを作った理由もそれと全く同じところに繋がります。

さて、この記事では、参加をご検討下さっている方へのご説明をさせて頂きます。

初回のプレマッチでは、大会開催までの開発期間も短く、また「魅力的な将棋AI」に求められるレベルが不明であることから、ハードルが高いように見えてしまったかもしれませんが、そのような事はありません。初回はあくまでプレマッチですので、是非まずはお気軽にお申込みを頂き、81Dojoの通信プロトコルの資料をお受取り下さい。
まずは、ご自分のAIを81Dojoのボットとして接続する、ということだけから挑戦して頂ければと思います。本当にただ繋ぐだけだとさすがに「魅力」のアピールが無いかもしれませんので、さらにそこから「最初にチャットで挨拶が出来る」とか「相手のレーティングを見て棋力が変わる」とか、ごく簡単なスパイスを加えるだけでも十分にプレマッチとして成立してくると思います。
以前、81Dojoに常駐していた「Omotenashi」というボットをご記憶でしょうか。どのような相手でも、互角に戦い上手く負けてくれる(わざとらしくなく)という「接待将棋ボット」でしたね。他には、「GPSShogi」も常駐していた頃がありましたが、GPSShogiは感想戦に付き合って、候補手を矢印で見せてくれたりもしました。 これらのレベルまで行くとかなり本格的だと思いますが、いきなりそこまでは難しいかもしれません。「魅力」を高いレベルで追求しているお手本と言えると思います。

とにかくご自分のAIを81Dojoに繋げるようにしておくこと自体、将来的な可能性や活用の幅を広げることになると思いますので、それだけでも十分ご参加のメリットがあるのではと思います。
また、 81Dojoのプロトコルも完璧ではありません。AIプログラマの皆さんにとって、ご不便に感じる点や不十分な点、問題点もあると思います。開発上で遭遇する課題に対しては、当方もサポートさせて頂き一緒に解決していきたいと思いますし、また課題やご意見を伺いながら通信プロトコル自体をより良いものに改善していきたいと思います。

是非よろしくお願い致します。 


前回記事に、早速多数のフィードバックを頂き有難うございます。当ブログへのコメントの他、Facebook・Twitterなどでもフィードバックを頂き、また様々な代替案が集まりました。

前回ご紹介した「駒持ち」の他、下手側をプラスにしながらも初期配置の保存を重視する「駒成り」(最初から角や飛車が成っている)、さらには上手の駒を落として下手の駒台に置くという駒落ち&駒持ちの合わせ技の大ハンデ(「駒得」)、など有力な改良案を頂きました。

「駒持ち」の一番のデメリットは、下手の初期配置が変わってしまうことです。このため、平手の普段通りの戦法を指すことが出来ず、またどう指せば良いのか分からないという事態に陥る可能性がありました。例えば、居飛車とか振り飛車とか、好きな戦法を指せません。そして、金銀や玉をどう駒組みすれば良いのかが分かりません。
一例として、「二枚持ち」から☖8四歩と指されたら下手はどうするか、という問題が話題となりました。これには☗4五角で馬が出来るので、普通は☖8四歩と指しづらいのですが、下手が初級者ですと☗4五角が打てるとも限りません。すると平手で学んだとおり8六の地点を守ろうとします。ところが実は守る手がありません。☗7六歩から☗7七角と据えているようでは意味が無いし、そもそも☗7六歩など指してしまうと☖3四歩でおかしいです。(角が盤上に居ないことが不利に働いており、また仮に☗8八角打と平手に戻すにも一手損になる。) 二枚落ちの上手のように、飛車先を受けずに全体で守って指すのが正解なのですが、そんなことは初級者にとっては無理な話で、結局平手の延長では指すことが出来ません。誰にでも「楽しんで指してもらいたい」という主旨に対して、大きなデメリットをまだ抱えているわけです。
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つまり前回述べた、(2)普段と同じように指せる(3)確実に有利が担保されている という2つのポイントに関して私は誤っていました。

そこで頂いた代案一つ目が「駒成り」です。初期配置が同じなので、一応平手と同じような感じで指すことは出来そうです。しかし、成駒がある時点で既に異なる序盤です。同じ駒組み・囲いをすることにそもそも意味が無くなってしまうはずなので、学び方を間違ってしう可能性があります。また「飛車を成る」という目的を奪われると、かえって何を目指して指せば良いかという指針を失ってしまい、結局駒持ちと同じく「どう指せば良いのか分からない」ことになるかもしれません。
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下手側のプラスのみでハンデを作ろうとすると、どうしても下手の盤面が平手と変わってしまうのが問題でした。(置き碁なら本質が変わらないので良いのですが) そこで、思い切って上手も落として下手も持たせるという「駒得」案を提案頂きました。
駒落ちですら下手のプライドを傷つけ気味で拒否されがちなのに、さらに駒を貰うなんてもっと拒否されそう、、、かと思いきや、意外とそう感じにくいということに気付かされます。多分、将棋を知ったばかりの方に提案するハンデとして、駒を落とそうが渡そうが、提案された側の印象として大差が無いと思われます。むしろ駒落ちの違和感は、ゲームの構成要素である駒を、駒箱に除外して無くしてしまうという変更の過激さが抵抗感を生んでいる側面も多少ありそうです。むしろ「相手に渡す」(平手のルールの範疇で「相手の駒を取った」に相当する)方がゲームの枠組みを変えていない分、すんなり受け入れられる可能性も見えてきます。
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各ハンデの得失を少し整理してみましょう。
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上手の力を奪わない事に拘るのをやめれば、「駒得」方式はかなり優れているように思います。駒持ちよりこちらが遥かに良いかもしれません。
置き碁では、下手が自分て黒石を置いて、それが終わると白から打つと思います。この手順が平手の延長であまり不自然ではなくて良いと思うんですよね。「駒得」方式の場合も、平手を並べた後、下手が失礼しますと言って自分で上手の駒を取り、その後上手から指せば自然な気がします。駒落ちは、上手が自分で駒箱に駒をしまって、そして指し始めるという、一連のことをやってくれるのを、下手が恐縮して待っているという何とも微妙な感じがあるんですよね。

次に、将棋エンジンによるハンデの大きさの計算です。
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 駒持ちは駒落ちよりも評価値が小さく見積もられました。下手有利の普遍性は向上したものの、有利の程度の大きさでは小さいということだと思います。実際にそうなのでしょうか。こればかりは実験してみないと分かりませんね。

 また「駒得」方式は、もちろん有利の程度が大きすぎる結果となるわけですが、それはつまり「駒を落とす場合より、渡す駒が少なくて済む」ことを意味しますので、むしろ好都合です。結果として、ハンデをもらった時の見た目の印象が、より小さなハンデに見えるので拒否感を減らすことができ、それでいて実はハンデが大きいという効果が得られますね。

いろいろな「実験」ができるのが81Dojoの強みです。皆さんにもアイデアを頂きながら、海外の方や子供に(オフラインで)将棋を勧めていく際に使える良いツールの研究を続けていきたいと思います。

※81Dojoでの実験による検証結果(1年後)へ


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