将棋AIの研究開発の新分野開拓を加速させたいという思いから、この度81Dojoを会場として「魅力的な将棋AIコンテスト」を企画させて頂きました。初回として、プレマッチを来年の4~5月で開催したいと思います。

 公式リリース:  「魅力的な将棋AIコンテスト」 プレマッチ開催のご案内

この大会を企画した意図や思いは、またの機会に詳しく述べたいと思います。平たく言ってしまうと、「これからの将棋AIの価値が『対局に勝てることと』と『評価値と読み筋を吐き出せること』だけで良いわけが無いよね」、「それだけでは『人間』には遠く及ばないよね」、「人間に近づき共存関係を構築するためにもっともっと価値を高められる未開拓の世界がいくらでもあるよね」、というベタな表現になってしまうでしょうか。話し出すと長くなるのでやめておきますが、実は局面ペディアを作った理由もそれと全く同じところに繋がります。

さて、この記事では、参加をご検討下さっている方へのご説明をさせて頂きます。

初回のプレマッチでは、大会開催までの開発期間も短く、また「魅力的な将棋AI」に求められるレベルが不明であることから、ハードルが高いように見えてしまったかもしれませんが、そのような事はありません。初回はあくまでプレマッチですので、是非まずはお気軽にお申込みを頂き、81Dojoの通信プロトコルの資料をお受取り下さい。
まずは、ご自分のAIを81Dojoのボットとして接続する、ということだけから挑戦して頂ければと思います。本当にただ繋ぐだけだとさすがに「魅力」のアピールが無いかもしれませんので、さらにそこから「最初にチャットで挨拶が出来る」とか「相手のレーティングを見て棋力が変わる」とか、ごく簡単なスパイスを加えるだけでも十分にプレマッチとして成立してくると思います。
以前、81Dojoに常駐していた「Omotenashi」というボットをご記憶でしょうか。どのような相手でも、互角に戦い上手く負けてくれる(わざとらしくなく)という「接待将棋ボット」でしたね。他には、「GPSShogi」も常駐していた頃がありましたが、GPSShogiは感想戦に付き合って、候補手を矢印で見せてくれたりもしました。 これらのレベルまで行くとかなり本格的だと思いますが、いきなりそこまでは難しいかもしれません。「魅力」を高いレベルで追求しているお手本と言えると思います。

とにかくご自分のAIを81Dojoに繋げるようにしておくこと自体、将来的な可能性や活用の幅を広げることになると思いますので、それだけでも十分ご参加のメリットがあるのではと思います。
また、 81Dojoのプロトコルも完璧ではありません。AIプログラマの皆さんにとって、ご不便に感じる点や不十分な点、問題点もあると思います。開発上で遭遇する課題に対しては、当方もサポートさせて頂き一緒に解決していきたいと思いますし、また課題やご意見を伺いながら通信プロトコル自体をより良いものに改善していきたいと思います。

是非よろしくお願い致します。 


前回記事に、早速多数のフィードバックを頂き有難うございます。当ブログへのコメントの他、Facebook・Twitterなどでもフィードバックを頂き、また様々な代替案が集まりました。

前回ご紹介した「駒持ち」の他、下手側をプラスにしながらも初期配置の保存を重視する「駒成り」(最初から角や飛車が成っている)、さらには上手の駒を落として下手の駒台に置くという駒落ち&駒持ちの合わせ技の大ハンデ(「駒得」)、など有力な改良案を頂きました。

「駒持ち」の一番のデメリットは、下手の初期配置が変わってしまうことです。このため、平手の普段通りの戦法を指すことが出来ず、またどう指せば良いのか分からないという事態に陥る可能性がありました。例えば、居飛車とか振り飛車とか、好きな戦法を指せません。そして、金銀や玉をどう駒組みすれば良いのかが分かりません。
一例として、「二枚持ち」から☖8四歩と指されたら下手はどうするか、という問題が話題となりました。これには☗4五角で馬が出来るので、普通は☖8四歩と指しづらいのですが、下手が初級者ですと☗4五角が打てるとも限りません。すると平手で学んだとおり8六の地点を守ろうとします。ところが実は守る手がありません。☗7六歩から☗7七角と据えているようでは意味が無いし、そもそも☗7六歩など指してしまうと☖3四歩でおかしいです。(角が盤上に居ないことが不利に働いており、また仮に☗8八角打と平手に戻すにも一手損になる。) 二枚落ちの上手のように、飛車先を受けずに全体で守って指すのが正解なのですが、そんなことは初級者にとっては無理な話で、結局平手の延長では指すことが出来ません。誰にでも「楽しんで指してもらいたい」という主旨に対して、大きなデメリットをまだ抱えているわけです。
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つまり前回述べた、(2)普段と同じように指せる(3)確実に有利が担保されている という2つのポイントに関して私は誤っていました。

そこで頂いた代案一つ目が「駒成り」です。初期配置が同じなので、一応平手と同じような感じで指すことは出来そうです。しかし、成駒がある時点で既に異なる序盤です。同じ駒組み・囲いをすることにそもそも意味が無くなってしまうはずなので、学び方を間違ってしう可能性があります。また「飛車を成る」という目的を奪われると、かえって何を目指して指せば良いかという指針を失ってしまい、結局駒持ちと同じく「どう指せば良いのか分からない」ことになるかもしれません。
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下手側のプラスのみでハンデを作ろうとすると、どうしても下手の盤面が平手と変わってしまうのが問題でした。(置き碁なら本質が変わらないので良いのですが) そこで、思い切って上手も落として下手も持たせるという「駒得」案を提案頂きました。
駒落ちですら下手のプライドを傷つけ気味で拒否されがちなのに、さらに駒を貰うなんてもっと拒否されそう、、、かと思いきや、意外とそう感じにくいということに気付かされます。多分、将棋を知ったばかりの方に提案するハンデとして、駒を落とそうが渡そうが、提案された側の印象として大差が無いと思われます。むしろ駒落ちの違和感は、ゲームの構成要素である駒を、駒箱に除外して無くしてしまうという変更の過激さが抵抗感を生んでいる側面も多少ありそうです。むしろ「相手に渡す」(平手のルールの範疇で「相手の駒を取った」に相当する)方がゲームの枠組みを変えていない分、すんなり受け入れられる可能性も見えてきます。
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各ハンデの得失を少し整理してみましょう。
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上手の力を奪わない事に拘るのをやめれば、「駒得」方式はかなり優れているように思います。駒持ちよりこちらが遥かに良いかもしれません。
置き碁では、下手が自分て黒石を置いて、それが終わると白から打つと思います。この手順が平手の延長であまり不自然ではなくて良いと思うんですよね。「駒得」方式の場合も、平手を並べた後、下手が失礼しますと言って自分で上手の駒を取り、その後上手から指せば自然な気がします。駒落ちは、上手が自分で駒箱に駒をしまって、そして指し始めるという、一連のことをやってくれるのを、下手が恐縮して待っているという何とも微妙な感じがあるんですよね。

次に、将棋エンジンによるハンデの大きさの計算です。
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 駒持ちは駒落ちよりも評価値が小さく見積もられました。下手有利の普遍性は向上したものの、有利の程度の大きさでは小さいということだと思います。実際にそうなのでしょうか。こればかりは実験してみないと分かりませんね。

 また「駒得」方式は、もちろん有利の程度が大きすぎる結果となるわけですが、それはつまり「駒を落とす場合より、渡す駒が少なくて済む」ことを意味しますので、むしろ好都合です。結果として、ハンデをもらった時の見た目の印象が、より小さなハンデに見えるので拒否感を減らすことができ、それでいて実はハンデが大きいという効果が得られますね。

いろいろな「実験」ができるのが81Dojoの強みです。皆さんにもアイデアを頂きながら、海外の方や子供に(オフラインで)将棋を勧めていく際に使える良いツールの研究を続けていきたいと思います。

※81Dojoでの実験による検証結果(1年後)へ


将棋の普及を考えるときに、よく問題視されることのひとつに、将棋のハンデのつけ方がイケてないという話があります。おそらく多くの方がそう思ったことがあるでしょう。先日も、海外普及について議論をする機会があったのですが、やはりその話題になり、改めて駒落ちには課題が多いと感じました。

逆に、ハンデがうまく出来ている例としてよく比較されるのが囲碁です。囲碁には置き碁というシステムがあり、下手が予め黒石をいくつか置いた状態から始めます。実力の違う者同士が対局を楽しむ上で、とてもうまく機能しているようですが、将棋との違いはどこにあるのでしょうか。今回は駒落ちの課題を2つのフェーズに分けて考えてみます。

フェーズ1: 駒落ちを始めるまで … 「変更内容が極端すぎて前向きになれない」

日本でもそうかもしれませんが、特に海外で初めて将棋を知った人と指す場合、駒を落とすということを拒否されるケースが多いです。理由は、相手の駒を無くすという変更が、あまりにも大きく見え、違和感を覚えるためです。これは、①プライドを傷つけられるという感情と ②教わったはずのゲームと全然違うことをやらされるという無意味感、によるものと思われます。

この点、置き碁では、相手の武器を奪うというような変更ではなく、自分側にいくらかの数的優位を築くという、ゲームの本質を変えない範囲での、十分に定量的・論理的で納得のいく「ハンデキャップ」であるため、違和感無く受け入れられると考えられます。

フェーズ2: 駒落ちを始めてから … 「全然有利になってない」

いざ駒落ちを始めたとしても、次にこの大きな問題があります。置き碁は間違いなく下手有利ですが、将棋では駒を落としたところで、下手が全然有利にならないのです。プライドを傷つけるほどの、この見た目の大きな差にも関わらず、実はあまり差がついていない、というのが駒落ちが好かれない一番の原因ではないでしょうか。有利にならない理由は、少し指せば皆さんもすぐお気づきと思いますが、以下のような点が挙げられます。(二枚落ち等をイメージして下さい)
  • 上手には苛める対象の駒がいない: 上手には、角の頭とか、飛車の小鬢などの弱点がありません。自陣内にと金を作られても被害が大きくありませんので、攻めに応じる必要がありません。一方、下手は角や飛車の周りにと金を作られたら一大事です。大駒に働きかけながら攻められると、逃げたり守ったりする手が必要となり、上手が手数を稼ぎ攻めが加速します。
  • 結局、飛車角を打てるのは上手だけ: そして、そのように苛められて取られた飛車角は、無残にも下手陣に打ち込まれ、むしろ上手の武器として大暴れするわけです。
  • 上手に献上する飛車角を最初から持たされているだけ: 結局下手は、玉・飛車・角という3つもの駒を守らないといけないのです。なぜなら、もし守らないと、それは上手の物になってしまうからです。下手で指しているとき、「今この局面で、もし自分の飛車と角も上手と同様に駒箱にしまうことができれば、勝ちなんだけど」と思ったことありませんか?下手は上手以上の負担を背負わされているのです。
  • どんどん盛り上がってくる上手: 逆に自陣の駒を守るという心配事が無い上手は、手数を金銀に掛けることができ、スカスカの下段を気にすることもなく盛り上がることが出来ます。下手は自陣にスキを作れないので、同じことが出来ません。上手の厚みに抑え込まれ、飛車角を封じ込まれたら終わり。あとはと金で取られて打ち込まれる運命です。
  • 成り込んでも駒が取れない: これは香落ちなどでよくある話です。1一の香が居ないので、角が成っても香が取れません。角交換からお互いに敵陣に角を打った時、上手だけが香を取れるなど、下手が損をするケースがあります。
もちろん、論理的には下手が有利になっているはずです。しかし、その有利を活かせるには、既に相当な棋力があり、わざわざ駒落ち専用の特殊な手法や定跡を習得していないといけない、という仕掛けになっているわけです。
 
要するにつまらない

このような裏のトリックがたくさん隠されている「駒落ち」は、到底まともな「ハンデキャップ」とは言えませんね。
もちろん将棋界では、駒落ちは上達のための素晴らしい訓練ツールであると言われており、私もそれは十分理解・同意しています。それぞれの駒落ちには、習得すべき手筋や考え方、乗り越えなければいけない上手の対抗手段がうまく盛り込まれており、それをクリアすると勝てるように出来ています。
また、玉・飛車・角と守るべきものを3つ持たされ、取られると逆ハンデになる、という厳しい状況は、「強い武器を持つということは、力を得ると同時にそれを扱う責任とリスクを負う」ということを実感させます。大事な武器が逆に弱点になってしまわないよう、責任を持ってケアし、力を活かし、使いこなせた時に、やっと勝つことができます。駒落ちはそのような、駒を使いこなす能力・キャパを鍛えるトレーニングでもあるとも言えそうです。

しかし、そんな話は将棋を本気で学びたい人の都合です。別に皆がそこまで苦しんで強くなりたいわけではないし、平手で出てこないような特殊な攻め方や定跡なんて覚えたくもありません。というか、早く飛車とか角を打ち込んでみたいんです。飛車落ちまで進んでやっと、角交換ができて、やっと大駒を打つ楽しみが得られるって、、、どんだけ我慢させるんですかね。

いま足りないのは、修行のための駒落ちではない、

  「実力が異なる者(入門者含む)同士が、
   差をちゃんと埋めて、仲間と互角に将棋の対局を楽しめるハンデ」


です。囲碁やゴルフのように。
将棋にはそれが無いのです。

改善案

ではそのようなハンデを作る方法は考えられないものでしょうか。上記の話をまとめると、下記がポイントになります。
  1. 上手のマイナス側ではなく、下手のプラス側でハンデをつける。
  2. 平手の将棋と異質なものにしすぎない。(同じように指すことができ、同じように楽しめること。)
  3. 確実に下手が有利になるもの。
既にある方法の中で、従来の駒落ちよりかなり良いと思っているのが「トンボ」という駒落ちです。

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これは上で述べた課題のかなりの部分を改善できているので、素晴らしいアイデアだと思います。81Dojoでも採用させて頂いています。
ですがやはり「上手の駒を無くす」という、マイナス側の極端な変更を行うという点で、普及ツールとしてまだ課題が残っているように思います。そこで、私が思いつく案としてこういうのは如何でしょうか。

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駒落ちならぬ「駒持ち」です。下手にプラス側の変更で、確実に有利になり、駒の数を変えていないため平手の延長線上から逸脱しすぎないものになっているかと思います。あたかも二枚落ちの上手のように、金銀を盛り上がって指し、上手の飛車や角を苛める楽しみまであります。(まさに今まで上手にやられていたことの仕返しが出来るのです 笑) そして手元には、絶対に取られない、いつでも打ち込める飛車角があります。打とうと思えば自陣に打って平手にも戻せるわけですから、確実に有利であることが担保されていることになります。そして間違いなく、上手と指していても「楽しい」です。これならば、負けても自分がヘタだっただけなので、納得がいきます。見た目も、元々自分の駒だったものを駒台に移動させただけ、ということで、大きすぎるハンデをもらったというようなプライドを傷つける要素も少ないと思います。
そして何より、最初から駒を打つということを意識できます。駒を打つ可能性を考えながら手を読んだり、逆に相手が駒を打つ手が見えるようになるには、まず自分自身が駒を打つ体験を重ねないといけません。駒を打ったことがないのに、「相手のあの駒を取れば、あそこに打てる」とか「あれを取られるとあそこに打たれる」という様には考えられないのです。ですので、駒持ちで得た学びは、そのまま平手でもすぐに役立つと思います。

実際に何度も試してみたわけではないので、果たしてこれが良いハンデかどうかは分かりません。うっかり飛角香香の「四枚持ち」とかやってしまうと、☗2六香~☗2五香打と並べていきなり2三の地点を破ることが出来てしまいます。まあ、それぐらいのハンデがあっても丁度良い、という考え方もあると思いますが。

皆さんはどのようなアイデアをお持ちでしょうか?81Dojoには色々なルールを実装できるようになっているので、アイデアがあれば実際に試してみることも出来ます。是非いろいろなコメントをお聞かせ下さい。

次回記事へ続く: 将棋のハンデ改善案への反応


10月のパネラー講演でご紹介した、海外向け情報集約サイト「ShogiHub」を先日リリースしました。今回はその内容を少しご紹介したいと思います。

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海外普及の今の課題の一つとして、情報が分散していて集約されていないこと、「ここに行けば将棋界の最新の動向が掴める」という拠り所が無いこと、です。そのため、パネラー講演でもそのような情報発信源の構築を提案しました。
しかし、すぐに提案が実現するとも限りません。そこで今年の3月から徐々に準備してきたのがこのShogiHubです。Hub(ハブ)というのは、歯車の軸とか、ネットワークの中心という意味で、まさに情報を得る際の軸として使ってもらいたいという思いで名付けました。ShogiHubでは様々な情報をまとめていますが、中でも特に重要視しているカテゴリが2つあります。

(1) プロ棋士の情報と、最新のプロの対局情報

まず、海外の将棋ファンの皆さんに、出来るだけ多くのプロ棋士の名前と顔を覚えて頂きたい、そして、棋士のファンとなり、対局を追いかけて応援して欲しい、という思いがあります。そこで、プロ棋士の情報を集約したページを作りました。

 全棋士・師弟関係図

特にこちらの師弟関係図は、日本のファンの皆さんにとっても興味深いものになっているかもしれません。孫弟子とか、従兄弟(?)関係になっている棋士とか、様々なことが一目で分かりますね。ずっと遡ってみますと、関根金次郎門下の人数の多さに驚きます。

 最新の対局情報

そしてこちらが最新の対局情報です。棋士ごとの対局履歴も見れますので、海外の方でもファンの棋士の対局をフォロー出来るようになります。

(2) 海外の将棋イベント一覧

もう一つ重要なのが、いま世界中で開催頻度が増えてきている、将棋関係の大会やイベントの一覧です。これまではイベント情報が各サイト発信になっていて、告知もFacebookやフォーラムなどでバラバラに行われていました。それではどうしても見落としが発生してしまいます。そこでそれらの情報を全てリスト化出来るものを作りました。

 将棋イベント一覧

イベント主催者は各自で情報をShogiHubに登録することが出来ます。すると、サイトのAtom Feedを購読しておけば、最新の更新情報が送られてくる仕組みです。また、過去のイベント一覧も見ることが出来るようになっていて、各イベント主催者が結果レポートのページを登録することも出来ます。このように過去のイベントの様子や成果を後からでもすぐ見られるようにしておくのは大切なことで、1年後・数年後にとても役立ってきます。

※ 今後に向けて


このようなサイトが定着し、海外への情報展開ルートが定まってくると、今後企画されるイベントなどの周知率が向上してきます。例えば、2年後にも次回の国際将棋フォーラムが開催される見込みですが、世界からの注目度がこれまでより一層高くなるよう、情報発信の仕組み作りを頑張っていきたいと思います。 


10月3日に東工大くらまえホールで開催されました、将棋を世界に広める会・20周年記念シンポジウム「新しいステージに入った将棋の世界普及」にパネラーとして登壇させて頂きました。

私からは、「5年での変化と今後の課題」というテーマで、これまでの海外普及活動や今後の展望についてお話をさせて頂きました。講演の様子は、関係者の方の多大なご協力によりYouTubeやニコ生で公開されていますので、興味のある方はご参考になさって下さい。

筆者パネラー講演「5年での変化と今後の課題」
 
スライドもISPSのサイトで公開されています

また、この10月に海外初の女流3級となられたカロリーナ・ステチェンスカ先生もパネラーとして日本語による講演をされました。とても日本語が上手になられています。メディアでもあちこちで取り上げられ、まさに時の人。素晴らしいですね。

カロリーナ・ステチェンスカ女流3級パネラー講演
 

パネラー講演のあとは、将棋を世界に広める会の寺尾理事による、海外普及の現状と課題についての分析と総括が、パネラーへの質疑応答を交えながら行われました。いつもながら寺尾さんの調査・分析力は流石ですね。

寺尾理事による分析と総括およびパネラー質疑
 
(※題目としてはパネルディスカッションということで動画には登壇者のみが映っていますので、寺尾さんの姿は映っていないため会場の様子は少し分かりにくいかもしれません)

そして締めくくりとして、羽生名人による記念講演が行われました。毎度のことですが、どの場所でもテーマに合わせて分かり易い構成で話を組み立てられる羽生先生の講演は、いつ聞いても本当に素晴らしいですね。今回もやはり素晴らしいご講演でした。

羽生名人記念講演 
   

羽生名人の講演の中で、「ハム将棋」を紹介される部分がありました。これがニコ生での放送の中で注目を集めたようで、様々なところで取り上げられたようですね。 中でも、将棋ワンストップという将棋情報配信サイトでかなり詳しく取り上げられています。また同サイトでは、パネラー講演やパネルディスカッションの内容についても詳しく内容分析やまとめを作成して下さっています。
このように取り上げて頂くことで、海外普及について皆様に知って頂く機会が増えるのは、本当に有り難いことです。心より感謝したいと思います。

※なお、本記事で全ての動画をご紹介しきれていませんが、全動画はこちらのプレイリストにまとまっています。作成者の方に心より感謝致します。 


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